欧州連合(EU)の新型コロナウイルス復興基金案の採択を巡り、条件に脅威を感じたポーランドとハンガリーが拒否権を発動し、夏に苦心して協議した合意が阻止されかねない事態に陥っている。EU首脳陣が言い争いを続ける中、ポルトガルの社会党を率いるアントニオ・コスタ首相がこの機に乗じてEUの縮小と簡素化を提案した。コスタ氏は、EUを機能させるために、EUの価値を心から大切にする国々は、そうした価値を信じない国々に見切りをつける必要があると述べている。そうすれば規模は小さいが、より純粋な国々の集合体が残され、ジャン・モネやロベール・シューマンなどのEU創設の父たちが夢見た「より深化した連合」を構築する準備が整うという。コスタ氏いわく「基本的に、EUは価値の連合なのか、あるいは主に経済的価値を生み出すための経済的手段にすぎないのかということだ」。
【オピニオン】ポルトガルのEU分断案というワナ
「EUの価値」という美しい言葉の裏に隠れたコスタ首相の野心
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