――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  ジョー・バイデン氏にとっては初めての経験ではない。12年前、バラク・オバマ政権の副大統領として引き継いだ米国経済は100年に一度の危機にあった。  幸い、当時とは異なり、今の米国経済は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による収縮から回復の途上にあり、複数のワクチンが間もなく承認される見通しだ。危機の終わりは見えている。しかしバイデン氏にとっては残念なことだが、政権は経済回復を加速したくとも、大したことはできないかもしれない。