米雇用市場の回復が頭打ちになる危険が出てきた。全米で新型コロナウイルスの感染が再拡大している状況を踏まえれば、驚くには当たらないが、議会と連邦準備制度理事会(FRB)の双方に迅速な対応を迫ることになるだろう。米労働省が4日公表した11月の雇用統計では、非農業部門就業者数が前月比24万5000人増にとどまった。伸びは市場予想の44万人に届かず、10月の61万人から大きく鈍化した。米国の雇用はコロナ危機が発生する前の2月の水準をなお980万人下回っている。失業率は6.9%から6.7%に低下したものの、求職者が減ったことが要因だ――これは人々が就職を断念したか、遠隔授業となった子どもの世話をするために労働力から離脱したことを反映している。