晩秋の新規感染者の急増で入院者や死者が増加し、国民の自主的な措置でコロナ流行に対抗するという、欧米では特異な取り組みをスウェーデン政府は断念した。他の欧州諸国同様、スウェーデンは今、冬本番を向かえるにあたり大規模集会の禁止からアルコール販売の制限、学校閉鎖に至るまで幅広い制限措置に直面している。いずれも同国の医療システムの崩壊を防ぎ、既に世界最高水準にある人口当たり死者数を抑制することが狙いだ。スウェーデン国民は先月まで大勢が集まるスポーツや文化イベントを楽しみ、医療当局者は欧州を席巻していた感染第2波について、スウェーデンでは自主的な措置で十分避けられると主張していた。数週間後、コロナによる累計死者数は人口100万人当たり約700人に到達。感染者が指数関数的に増加し、病床が満杯になる中、政府は方針転換を決定した。