オフィスビル,マンション,不動産Photo:PIXTA

在宅勤務の普及で
都市部の物件ニーズが増加

 新型コロナの影響で、日本経済はもちろんのこと、国内の不動産市場についても、大荒れを予想する言論が目立った。特に今年4~5月の緊急事態宣言中においては「新型コロナで都市郊外や地方・海外への移住が増える」「在宅勤務(リモートワーク)の進展でオフィスの空室率が大幅増加する」といった言説がメディアをにぎわしたが、そうした予想は、大きく外れる結果となっている。

 東京などの都心や都市部から郊外や地方への目立った人口移動は起きていないし、価格下落もない。株価が現行水準を保てば、むしろ一段高もありそうだ。ただしそうした動きは、あくまで局地的なものだ。

 皆さんの周囲に、コロナ禍を理由に郊外や地方、ましてや海外に移住した人が、はたしてどれほどいただろうか。また、あなた自身は移住しただろうか。