隔離処置を順守できなかった場合、違反程度によって10万元以上100万元(約360万円)以下の罰金を科されるほか、集中隔離施設に送られ強制隔離、さらに防疫補償(5万円)が無効となり、必要経費が徴収されることになる。この罰金は、各地方自治体に決定権があり、違反の件数などは公表されている。

 台湾では、4月12日の386例目の国内案件報告以降、12月14日の740例目まで8カ月間、国内での域内感染が発生していない。4月の387例目以降、今までの353件が海外から帰国・入国した人が持ち込んだ輸入案件だ。

 そのすべてが空港で判明か、自宅かホテルの隔離期間中に発症して、感染認定をされている。よって、国内には新型コロナウイルスは流入されていない。「国内では、安全が確保されている」と大半の台湾人は信じている。それゆえに、台湾人は政府による厳格な隔離措置や取り締まりを当然のこととして受け入れ、一方、行政も取り締まりの状況を公表し、透明化している。また、この厳しい「隔離措置」に国民の9割近くが理解を示す世論調査も発表されている。

国会議員に読ませたい台湾のコロナ戦国会議員に読ませたい 台湾のコロナ戦
藤 重太
定価1540円
(産経新聞出版)

 台湾には、2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の悲劇以降、作り上げてきた法律と対策があり、かつ、実行実践する組織がしっかりできていた。そして、指揮命令系統、責任の所在がはっきりしていて、必要な情報は公開され透明化が維持されている。また、中央感染症指揮センターの会見を見れば、貴重な情報と現場の声を聞くことができる。

 一方、日本は感染制圧と経済推進という二兎を追い、政治家も専門家もいろいろ方面に忖度(そんたく)して、決断決意が見えず、歯切れが悪い。今でも、外国からの渡航者の入国緩和を進めている一方、Go To トラベルが停止されるなどちぐはぐだ。国民からすれば、いろいろな情報に振り回され、臆測が臆測を生み、何が真実なのかも判らない。完全にインフォデミックに陥っている。残念ながらその元凶は、政治決断の欠如ではないかと、台湾との彼我の差を見ていて感じてしまう。