藤 重太
新型コロナウイルスの封じ込めに成功している台湾は、海外ワクチンの購入については遅れていた。ワクチンの接種が始まったのは、日本より1カ月以上遅い3月22日である。

東日本大震災が起きた後、台湾から200億円の義援金が届いたことを覚えている人は多いだろう。だが、台湾からの支援はそれだけではなかった。台湾人たちが被災地でどのような支援をしていたのかを紹介するとともに、多額の義援金を集める台湾の制度について解説したい。

台湾では昨年12月22日、253日ぶりとなる域内感染が発生した。さらに1月12日には帰国感染者の治療に当たっていた医師の感染が発表され、その後、複数の院内感染から家庭感染へと広がった。医師の感染から始まった域内感染は1月末時点で19例。感染した医師らが勤務する病院がある桃園市では現在5000人近くが隔離処置を受けている。この感染拡大の過程で、PCR検査の陰性判定が必ずしも安全でないこともわかった。この緊急事態に台湾はどう対応しているのかリポートする。

昨年12月22日、約8カ月ぶりに域内感染例が発表された台湾で激震が走った。多くの台湾人が、国内感染ゼロのまま、新型コロナ感染は終息すると信じていたからだ。久しぶりの国内感染に関してすぐに多くのうわさが流れた。域内感染者の足取りなどをSNSにアップするなどの犯人捜し、魔女狩りも起こりかけた。しかし、台湾中央感染症指揮センターの対応とその記者会見の内容は見事だった。台湾の取り組みから、「正しいコロナ対策とは何か」を考察してみたい。

東京都の1日の新型コロナ感染者がついに800人を超えた。かたや台湾ではコロナ対策が奏功し、4月12日以降、国内感染者ゼロが約250日続いている。日本と台湾の政府によるコロナ対策は当初から大きな差があった。その最たるものは水際対策の初動の遅れとミスジャッジだが、マスク供給をめぐる対応でも大きな違いがあった。台湾では2月にはマスクを国民全員に配布するシステムとマスクの在庫を知らせるマスクマップを作りパニックを防いだ。これらを実現できた背景にあるマスク国産化への政治決断と医療デジタルネットワークについて紹介する。

台湾南部の高雄市のホテルにおいて、コロナで隔離中だったフィリピン人が無断で部屋から8秒間出たとして、当局から過料として10万元(約36万円)の支払いを命じられた。

前回は台湾の歴史と境遇から見る国柄「おしん精神」とそこから生まれた「個性尊重主義」について触れた。今回は「仕事観」「家族第一主義」「信仰・宗教観」「社会制度」という4つの面から「台湾人が幸せになるヒミツ」について考察する。

毎年、国連が発表する世界幸福度ランキングで毎年上位にランキングされるのが台湾だ。2020年は25位で、東アジアにおいては2018年以降3年連続トップだ。台湾をウオッチして35年の著者が、自らの体験も踏まえて、台湾の幸福度が高い理由を解き明かす。

混乱を深めるアメリカ大統領選挙は、不透明な投票方式や開票作業、トランプ大統領の不正投票への追及姿勢などで簡単には収拾がつきそうにはない。この混乱は、「敗北宣言」のない法廷闘争へ移行するのだろうか。それはアメリカの分断、そしてさらなる世界の惨事惨禍を呼ぶ可能性すらある。その大きなあおりを受けそうなのが「台湾」だ。台湾が今回のアメリカ大統領選をどのように見ていたのかをレポートしたい。

前回の「宝くじレシート」の記事は個人が買い物をしたときの話だった。しかし、法人が買ったものを経費(損金)として計上する場合の対応は少し変わってくる。

海外に行くと日本にはないサービスや仕組みに驚くことが少なくない。台湾にも、デジタル化社会を象徴するような画期的な制度、ルールが存在する。その一つが、台湾の「宝くじ付きレシート」だ。日本ではレジ横にレシート用のゴミ箱(トレー)が置いてあるが、台湾ではレシートを募金箱に入れる人はいても、捨てる人はいない。台湾政府が長年をかけて築き上げたレシートの驚きの仕組みを解説する。

感染症が発生した際に、最も恐れなければならないことは病気自体ではなく、ネットなどで噂やデマも含めた大量の情報が拡散することで国民の心理的不安を引き起こすインフォデミックだ。

新型コロナウイルスへの日本政府の対応を巡っては、初動の遅れや水際対策の失敗、さらに学校・教育機関への予告なしの休校要請や高額布マスクの配布など、混乱振りが目立った。さらにこれからのインフルエンザ流行期を控え、同時流行の不安も高まっている。
