――筆者のピーター・カッペッリ氏はペンシルベニア大学ウォートン校の教授(経営学)で、同校のヒューマンリソーシズ・センターのディレクター ***  新型コロナウイルスの感染拡大で、誰も望まなかった在宅勤務の巨大実験が始まった。それがあまりに長期化したため、こんな疑問が生じている。オフィスはどうなっているのか? 本当にオフィスは必要なのか?  歴史をさかのぼると産業革命以降、われわれは仕事をオフィスに集約するべきとの考えに傾倒し、効率的に働くための設備を整えたオフィスの不動産に多額の投資をしてきた。また従業員には、多くの時間と費用をかけてオフィスに足を運ぶことを求めてきた。