新型コロナウィルスの影響で、世の中が大きく変わりつつある。そんな変化の激しい現代において「子どもに何をしてあげられるか」と悩んでいる親は多いのではないだろうか。
そこで、これまで教育を軸に取材を重ねてきた著者が、教育学、心理学、脳科学等、さまざまな切り口の資料や取材を元に「いま、最も子どものためになる」ことを『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』にまとめた。
「家での勉強のしかた」から「遊び」「習い事」「運動」「食事」まで、子育てのあらゆるテーマをカバー。100の「してあげたいこと」を実践するにあたっては、さらに詳細な「421の具体策」で、実際に何をどうしてあげればいいのかまで丁寧に落とし込んでいる。
発売早々、高濱正伸氏(花まる学習会代表)が「画期的な1冊が誕生した。長年の取材で得た情報を、親としての『これは使えるな』という実感でふるいにかけ、学術研究の裏付けやデータなども確認した上でまとめあげた力作である」と評するなど話題騒然の1冊だ。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する(イラスト:大野文彰)

「骨が強い子」の親がしている2大習慣Photo: Adobe Stock

子どもの骨が弱くなっている

 小さな段差を飛び降りたら足首を骨折、跳び箱を跳んだらバランスを崩して両手首を骨折……そうした些細なことで骨折する子どもが増えています。

 骨を丈夫にするには、骨に圧を加える運動が最適です。

 日本の骨折研究で有名な京都府立医科大学の保田岩夫医師の研究によると、骨に圧力を加えることによる振動でマイナス電気が発生し、この電気がカルシウムを呼び寄せて骨への沈着をうながし、骨の細胞を活発にすることがわかっています。

 骨に圧を加える運動は、走る・跳ぶ・踏み込むなど、日常の外遊びやスポーツに含まれています。

【その1】「体全体」をバランスよく使わせる

 その一方で、スポーツに積極的に取り組んでいるタイプの子にも、特定の部位に必要以上の負担をかけることで機能障害が起きることがあります。

 ひとつのスポーツに特化しすぎると、使われる部位がかたより、体全体の柔軟性やバランスが損なわれてしまうのです。

 骨の成長期にある子どもには、日常生活の中で動きにバリエーションをもたせ、無理をさせず、かたよりなく全身を使わせることが大切です。

 長く運動した日の翌日はゆっくりと休むようにします。野球で連日投げ続けるなど、骨の成長途中に無理をすると、逆に骨を痛めることになります。

 痛みが1週間以上続くなどの症状があれば、専門医を受診するようにします。早く発見できれば、早く治すことができるからです。

【その2】「骨に効く運動」をさせる

 本来、幼児から、小学生、中学生くらいまでの子どもの骨を健全に育てるには、外遊びや運動が最適ですが、コロナ禍に見舞われてからは、そんな時間が減っています。

 そこで、理学療法士集団キッズプロジェクトチームが監修した、骨を育てる「骨ほね体操」を紹介します。動物になりきって遊びながら骨に圧力を加えることができます。

 浜脇整形外科リハビリセンター長の村瀬正昭医師は、「動物の真似をしながら筋力や強い骨をつくる骨ほね体操は、全身のストレッチを十分に行うウォームアップと、体操後のクールダウンも必ずセットにして行なうことがポイントです。骨ほね体操も含めて、できれば毎日1時間程度体を動かすことが、成長期の子どもにとってはとても重要です」とアドバイスします。