日本史#11

日常でもビジネスでも何が起こるか分からない時代。こうした時代を乗り越える唯一の手段が「歴史」だ。時代も登場人物も違えば、まったく同じ歴史をたどることはない。しかし、似たことはこれまで何度も起こっているのである。それならば歴史に学ばない手はない。本稿では、日本最古の貨幣とされる「富本銭」出土から渋沢栄一が尽力した日本銀行誕生まで、「お金」に関する歴史について解説する。今日に至るまでの歴史を知れば、ニュースが一層分かるはずだ。

5分で学ぶお金の歴史
富本銭〜日本銀行誕生まで

 日本最古の貨幣は「和同開珎(わどうかいちん)」であると教わった人も多いでしょう。その和同開珎が造られたのは708年とされています。ところが1998年に、7世紀後半の「富本銭(ふほんせん)」が大量に出土しました。

 683年に天武天皇が「貨幣」の使用を命じたということが『日本書紀』に記されていますが、この「貨幣」が「富本銭」ではないかといわれています。となると、日本最古の貨幣は「和同開珎」ではなく「富本銭」であったことになります。

富本銭
1998年に出土した日本最古の貨幣、富本銭 Photo:PIXTA

 そして711年には、お金の歴史でエポックメイキングな法令が登場します。何と、「お金をためた人は公務員になれる」という今では考えられないルールが盛り込まれた蓄銭叙位令が出されたのです。果たしてその狙いとは?