英国で新型コロナウイルスの変異種が出現した。しかし今年3月末以降、特に11月にワクチンの有効性が報じられてから、大方が妥当との見方で一致している株式市場の基調には、今のところ大きな影響はない。新型コロナの変異種が確認されたことを受けて、21日午前には世界各地で株価と原油価格が一時大きく下げた。一方、安全な債券の価格は急騰した。しかし悲観的なムードは長くは続かなかった。短期的な混乱が起きても、世界の一部で公衆衛生上の深刻な状況が生じても、金融市場はその多くを見過ごしてきた。その前提は、大量失業や収入減を防ぎ、債務不履行の急増を避けるために政府と中央銀行が緊急支援を行うというものだ。投資家が目を向けているのは少なくとも1年先の収益だ。特に米国債のイールドカーブはスティープ化している。このことは、今年の悲惨な経済情勢が長引く可能性は徐々に下がると市場が判断していることを示している。
強気の株式相場、コロナ変異でも覆らず
今のところ見通し悪化の根拠にはならない
有料会員限定
あなたにおすすめ