世の中がコロナ禍に見舞われる中、この年末年始もまた、「世の中に見捨てられるのではないかとすごく不安」「このままでは1人で生きていけない」「助けてください」などといった相談が、筆者の元に数多く寄せられた。その中の一つに、30代後半の男性Aさんからの相談があった。小学校時代に遭ったいじめの後遺症に今も苦しめられているという。(ジャーナリスト 池上正樹)
コロナ禍の年末年始に多かった相談
おカネの不安と「いじめ後遺症」
ひきこもっているか働いているかにかかわらず、つながりを求める人たちは毎年、大晦日が近づくと、ふだん行き場所にしているような図書館や公的施設などが休みになることや、正月に親戚が来るなどして家に居づらくなる状況もあって、ますます寂しさや不安を募らせる。今年は新型コロナウイルスの影響で相談は少ないかと思っていたが、そう例年と変わらなかった。
ひきこもる子を抱えた親や兄弟姉妹からの相談も依然多いものの、とくに今年感じるものの一つは、コロナ禍によって雇用環境が深刻化する中で「お金についての先行き不安」だ。また、それとともに学校時代に遭った過去のいじめなどといった人間関係のトラウマによる、大人の「いじめ後遺症」の苦しみだ。