中国ネットサービス大手テンセントホールディングスの万能アプリ「微信(ウィーチャット)」は、国家による監視や言論統制、反体制派の封じ込めを担う極めて強力なツールになった。中国当局はウィーチャットを利用して、ますます逮捕や脅迫を正当化するようになっている。反体制派や消費者、専門家らへの取材で分かった。労働や女性の権利を専門とする弁護士、ワン・シェンシェン氏は、当局が自身のキャリアを損なうことを狙い、ウィーチャットやテキストメッセージの通信記録を監視して証拠を集めていると話す。地元の公安当局・共産党関係者は彼女の評判を傷つけることを狙い、父親の居場所も突き止めたという。彼女は「ウィーチャット上のやり取りは全て表に出ていると常に耳にしていたが、このような目に遭うまでその意味を完全には理解していなかった」と話す。「今は非常におびえている」
ウィーチャットで監視、中国当局の強力ツール
言論統制や反体制派の封じ込めに利用拡大
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