欧州で温暖化ガス排出権の価格が急伸している。事業継続に排出権を必要とする発電所や製鉄所では生産が記録的な落ち込みとなったものの、年初来では31%値上がりと、好調なパフォーマンスとなっている。インターコンチネンタル取引所(ICE)の先物相場は24日、1トン当たり32.08ユーロと、今月に入りつけた最高値近辺で取引された。排出権の価格が上昇している背景には、欧州連合(EU)が2030年までに温暖化ガスの排出量を1990年比で少なくとも55%削減するとの目標を決定したことがある。また、市場関係者の間では、新たな目標の達成に向け、排出権の数を減らすなど、化石燃料に対する規制が強化されるとの見方が広がっている。