「弊社のスペックアウト品は、中国に原材料として輸出されています。日本では過剰品質なだけにB級品になってしまうが、現地ではA級品として売ることができ、中国人はこれを喜んで買って行くのです」(合成樹脂製品を扱うG社営業部)

「日本は敵だ」とは言いながらも、中国人は「いいものを安く売ってくれる日本」を完全には排斥できないのである。

 他方、高齢者をターゲットにした産業が急拡大する中国では、日本の介護用品に熱い眼差しを向けている。こうした業界でも取引は停止していない。介護医療製品の販売を手がけるH社の経営者は次のように話している。

「車いすのまま入れる浴槽は、こうした状況下でも人気です。本当に必要なものは、政治と無縁のようです」

「だが、そうはしない。
なぜなら私たちは日本人だから」

 さて、こういう企業は中国への「対抗カード」も持っていることを意味するわけで、いつでも“コック”を閉めようと思えばそうすることも可能な立場にある。

「“制裁に対する制裁”を考えないわけでもない」とする企業もあるように、中国市場に過度な依存をしていない企業にとっては、「売らない」という選択をすることもできるのだ。

「だが、そうはしない。なぜなら私たちは日本人だからです」

 筆者はそんなコメントを耳にした。「日本人だから」とはどういう意味なのだろうか。