――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  一見したところ、米トランプ政権はジョー・バイデン次期大統領に、中国との貿易交渉で発揮できる強力な手段を残したように見える。だが、事態を成功裏に解決させるのは、いくつかの点で厳しいだろう。  2020年1月にはいわゆる「第1段階」の貿易合意をみたものの、米中間の関税はまだ上げられたままだ。ピーターソン国際経済研究所(PIIE)の分析によると、中国産品に対する米国の課税は、緊張状態が本格化する以前の2018年1月は平均3.1%だったが、現在では19.3%だ。これは合意前の21%からわずかに下がったにすぎない。