蛇の道は蛇、建前だけでは本質は決して分からないのが不動産。そんな業界に首まで漬かった業界人がネット上に集う全宅ツイ(全国宅地建物取引ツイッタラー協会)。週刊ダイヤモンド12月26日・1月2日合併号「総予測」では、メンバーがコロナで大混乱する不動産市況について恒例の座談会を、今年はオンラインで開催しました。誌面には掲載できなかった暴露ネタ満載の4時間トーク、完全版を6回に分けてお届けします。最終回は混沌を極めるコロナ不動産市況の2021年を、メンバーが予想します。(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
●全宅ツイのグル @emoyino 都心の不動産を中心に扱うブローカー
●どエンド君 @mikumo_hk 専業の不動産投資家(大家さん)。
●かずお君 @kazuo57 日本中の土地を老人ホームにする有活ブローカー
●あくのふどうさん @yellowsheep 渋谷の不動産ブローカー。
●のらえもん @Tokyo_of_Tokyo 東京湾岸エリア専門のマンションブロガー。
●はとようすけ @jounetu2sen 都内不動産営業
●なめ茸@不動産唄人 @c___i___b マンデベモデルルーム勤務
●とっくさん@おふぃす屋さん @tokusenjouhou20 オフィスリーシングとテナント退去を阻止する管理業務に従事
●N的まにあ @n_teki_mania 恐妻家兼不動産ファンド関係者
【全国宅地建物ツイッタラー協会】
ツイッター上で交流し合う不動産業界関係者により結成された団体。不動産業界の面白物件やニュースに登場した不動産などを集めた『クソ物件オブザイヤー』を毎年開催。ツイッターのトレンド入りを果たすほどに注目されている。
――いよいよ今日は最終回です。バシッと2021年の市況予測をお願いします。
はとようすけ(ようすけ):みなさんこのコロナの状況が収束しないでこのままいくとどうなると考えてますか?
N的まにあ(N的):今後は、ホテルオペレーターの経営破綻や、業界再編が起こるんじゃないかな。商業ビルもエリアによってはより一層厳しくなって、ここでも再開発を意識した投資がなされるかもね。カネ余りだから。今後は特にチャイナマネーが入ってくる。香港、シンガポール含めたチャイナマネーは投資意欲が引き続き旺盛だしね。
どエンド君(どエンド):コロナ収束するまで1、2年テナント空けとけばいいやって割り切って商業ビルを買うしかない。
有名商業ビルをチャイナマネーが買収して
空き家のままで数年放置もあるかも
N的:どエンド先生のいう「空室も辞さず」というスタンスを持つ投資家は、これからコロナがより深刻化したら強いバイヤーになると思う。実は先ほど話した中華系投資家もそうした性格がある。米欧のファンドと違うのは、投資物件で「安い賃料でテナント入れるくらいなら空ビルも辞さん」って考え方が結構あるんです。銀座の某ビルは高い賃料水準を狙っているようでコロナ前から路面区画はずっと空室ですね。
――そういう新しいオーナーの意思で今後の都市再開発が進む。繁華街の路面店舗がずっと空きというのも住民的には寂しいですけど。価格はどうなるとみてますか?
のらえもん(のら):都心に近いマンションはぶっちゃけ上がる、と思ってます(キリリ)。私も緊急事態宣言で誰もが街に出ない惨状を見てマクロ景気は間違いなく下がるし、物件も下がると思ってました。だけどこれだけカネが余ると、物件より先にカネが腐るような気がしてきた。東京に人が集まらなくなれば、当然郊外から価格は下がっていく。