◇自分は運がいいと思い込む

「自分は運がいい」と決め込むのも、運がよくなる秘訣である。そこに根拠は必要ない。

「自分は直観力がすぐれている」と思っている人に、ほとんどその根拠がないことを示す調査結果がある。それと同じで、「運がいい」と思っている人に明確な根拠がある場合はまれなのだ。

 それでも、「運がいい」と思っている人の方がより成長のチャンスに恵まれる。何か仕事がうまくいかない時に、運がいいと考えている人は「自分に勉強不足のところがあるかもしれない」と考える。一方、運が悪いと考えている人はうまくいかない原因を「運が悪い」せいにしてしまう。運がいいと考えている人には努力の余地が生まれるのだ。両者には同じような出来事が起きているが、捉え方や対処の仕方が異なっている。この積み重ねが長い年月を経たら、大きな違いになることは想像に難くない。

◇プラスの自己イメージをもつ

「運がいい」と思い込むのと同様に大切なのが、「プラスの自己イメージ」を持つことである。重大な局面で、「自分ならできる」といったプラスのイメージを持つようにするのである。

 このプラスイメージに特別な根拠は必要ないということが、イギリスで行われた実験によって明らかにされている。この実験では、一般に男性の方が女性よりも早く正確に答えを出せるとされている種類のテストを出した。その内容よりも、試験前に被験者に実施した簡単なアンケートが実は肝である。このアンケートで性別をきかれたグループの女子大学生正答率は、男子学生の64%であった。一方、自分の所属大学をきかれたグループの女子大学生の正答率は、男子学生の86%まで上がったのだ。被験者の多くは有名校の学生だったため、「自分が有名大学の学生である」というプラスの自己イメージが、テストによい影響を与えたということがわかる。

 このように、プラスの自己イメージはパフォーマンスに直接影響を与える。物事に取り組む際には、なるべくマイナスの自己イメージを排除して、プラスの自己イメージを持つようにするとよい。「自分は運がいい」という思い込みとセットにすると、よいサイクルが回るようになる。