氷に覆われた南極の荒野にいるアデリーペンギンの健康状態を追跡する科学者らは、何千キロメートルも離れた場所からカメラを管理している――われわれの頭上で軌道を描く小型の人工衛星を介して。それと同じ技術を用いて、エネルギー企業は遠く離れた風力発電基地を監視し、物流会社は輸送用コンテナを追跡し、アグリビジネス企業は家畜の世話をする方法を探っている。米ナショナル・ジオグラフィック誌がバングラデシュからインド洋まで廃棄ペットボトルを追跡するのにも役立った。この進化する衛星技術によって近い将来、全ての自動車に救難信号を搭載し、地球上のどんな環境にいる野生生物でも遠隔監視し、アマゾン・ドット・コムの荷物をトラック積載中だけでなくそれを生産した工場までさかのぼって追跡できるようになる――そう想像してもおかしくない。しかも、従来の衛星追跡システムの何分の一かの費用で済む可能性がある。
超小型衛星ネットワーク、究極のIoT目指す
牛も車もコンテナも監視・追跡、十数の新興企業が競う
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