一部始終をテレビで見ていたトランプ大統領は大喜びで、鎮圧のための州兵動員要請を拒んだという。暴徒たちは彼の「愛する特別の」岩盤支持者たちだからだ。昨年白人警官による黒人暴行死事件が起きた際には、即座に州兵どころか連邦軍の出動まで訴えたのとは雲泥の差だ。

 それを知ったバイデン次期大統領が、みごとに核心を突くツイートを発信している。

「もし議会を襲った暴徒がブラック・ライブズ・マター(BLM:黒人の命だって大切だ)の活動家だったら、同じ扱いを受けただろうか?」

 映像でもわかるように議事堂を襲った暴徒のほとんどが白人だった。人種によってあからさまに対応を変える警備陣のおぞましさをバイデンはBLMを使って指摘したかったのだ。

警備当局や議会関係者が
暴徒集団を手助けか

 もうひとつ不可解なことがあった。それは侵入した「プラウドボーイズ」など極右団体のメンバーや白人至上主義者たちが拡声器からの指示に従って議事堂内を素早く移動して、議場やペロシ下院議長の執務室などに乱入していることだ。これも映像で残っている。「ペンスを吊せ」と叫んでいた暴徒たちは議場から避難して身を潜めていた副大統領のすぐそばまで迫っていたという。

 その謎は元海軍パイロットで連邦検察官を務めたマイキー・シェリル下院議員(民主)が解いてくれた。自身のフェイスブックで、議事堂占拠事件の前日に議事堂を「偵察」する集団を同僚議員が案内しているのを目撃したことを明らかにしたのである。

 議員の名前は明らかにしなかったが、言葉には彼女の怒りが込められていた。

「彼(トランプ)をほう助した議員、1月5日に私は目撃したのだが、翌日のための偵察をするグループを議事堂で案内した議員。この暴徒の集団を扇動した議員。民主主義を損なおうとする大統領を手助けしようとする議員…に責任を取らせて、必要であれば、議会に奉仕できないようにする(辞職を要求する)!」

 さすが元連邦検察官である。