『鬼滅の刃』の爆発的な人気は、年をまたいでも鎮火の気配を見せない。ストーリーや描画の魅力はもちろんのこと、キャラクターも要の一つだろう。登場人物たちが生死を賭して戦う姿、家族や仲間への思いに、戦場と化したコロナ禍の中、仕事や家庭を守る自らを重ねたビジネスパーソンも少なからぬと推察する。特にアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』クライマックスの重要人物「煉獄さん」に、相続税専門の税理士という職業柄、私も興味を覚えた。(税理士 岡野雄志税理士事務所所長 岡野雄志)※ネタバレを含みます
海外でも人気
「煉獄さん」一家とは
アニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』やコミックスを見た方はご存じだろうが、「煉獄さん」こと煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)は、主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が所属する「鬼殺隊」最上級隊士「柱」の一人である。
煉獄家の長男で、相伝の技である「炎の呼吸」を会得し、「炎柱」の称号を持つ。元柱の父の下、弟とともに幼い頃から厳しい修練を積んできた。しかし、当の父親は妻(杏寿郎と弟の母)の死を境に酒に溺れ、息子たちにすら興味を示さなくなってしまった。今風にいえば、「ネグレクト親父」といったところか。