吾峠呼世晴さんの人気漫画「鬼滅の刃」(集英社)
吾峠呼世晴さんの人気漫画「鬼滅の刃」(集英社) Photo:JIJI

吾峠呼世晴氏が『少年ジャンプ』で連載しアニメ化され、映画「無限列車編」で大ヒットしている原作の漫画「鬼滅の刃」を娘に薦められた。筆者も当たり前のように少年時代、ジャンプを読んで育ったので「じゃあ」と手に取ってみた。小さな子どもから大人まで人気と言うが、第1話を読んで戦慄した。平穏に暮らしていた主人公の家族が、妹1人を除き惨殺される…。「これ、小さい子どもが読んでいいの?」。読み進めていくと、きつい描写はあっても、主人公が仲間を増やし、その仲間とともに成長していくストーリーはジャンプの王道。そして、元事件記者として感じたのは「喰うか喰らわないかの違いで、現実の社会に『鬼』はうようよいるよなぁ」だった。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

現実と漫画に共通する「鬼は夜」

「勝手な解釈をするな」とご批判を受ける前に、誤解なきよう1つだけ「元社会部記者が事件に限定した、勝手な感想です」とお断りをさせていただきたい。そして「鬼滅の刃」(以下、鬼滅)を読み進めていくうちに、これまで取材してきた事件がフラッシュバックしたこともお伝えしておきたい。

 鬼滅は、凄まじい力を持つ元人間だった鬼の首魁が、さまざまな事情を持つ人間を次々に鬼に変え、その鬼たちに人間を喰わせ、穏やかに暮らす人間を不幸に陥れていく――という世界観がある。もちろん、メインは主人公たちが鬼たちを退治し、首魁を追い詰めていくストーリーだ。