米動画配信大手ネットフリックスは、ハリウッドでの長年にわたる経験から、筋書きにひねりを加えることの価値を明らかに学んでいる。ネットフリックスに対する市場関係者の筋書きはこれまで、ただひたすらユーザー数を重視するというシンプルなものだった。人々が新型コロナウイルスの流行で巣ごもり生活を余儀なくされていることもあり、同社はその点では確かに好調を維持している。同社19日、2020年に有料会員数が3650万人増となり、過去最高の増加幅を記録したと明らかにした。10-12月期(第4四半期)は850万人増で、自社予想を42%上回った。過去5年は平均で年間約2250万人増えていた。だが最近の増加ペースの背景にある特殊な状況を踏まえると、これが今後も続く可能性は非常に低い。実際、ネットフリックスは今年1-3月期の新規有料会員数をわずか600万人増と予想している。これは市場予想の下限と一致する。だが同社は今年、フリーキャッシュフローベースで収支をとんとんにするとの目標を立てることで失望を埋め合わせてみせた。フリーキャッシュフローの従来予想は10億ドル(約1040億円)のマイナスだった。また、株主への書簡で、日々の運転資金を外部から調達する必要はもはやなくなったと大胆にも言い切っている。同社の株価は決算発表を受け、一時13%超急伸した。