――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  2019年末、公衆衛生専門家の国際団体が疫病のパンデミック(世界的大流行)に対する世界各国の準備状況の評価に取り掛かった。早期のウイルス検出、対応スピード、国際的な保健基準の順守といった評価項目を用いた結果、米国が1位となり、中国は大きく引き離されて51位となった。  ランキングが発表された直後、世界に新型コロナウイルスの感染が広がった。その経験に照らせば、専門家団体はランキングを逆さまにつけたかのようだ。主要国の中で米国は人口あたりの死者数が特に高く、中国は最も低い。