ゲイリー・ブレスローさん(71)はクルーズ船に乗るときは、楽しみは求めていない。子どもが騒いだり、夜になるとバーで乗客が酔っぱらったり、人々がプールで大騒ぎしているなんて、まっぴらだ。ブレスローさんにとって幸いなことに、バイキング社のリバークルーズは静まり返った雰囲気を売り物にしている。「ナイトクラブもウォータースライダーも必要ない」。引退生活を送るブレスローさんはそう話した。「バイキングのクルーズでわくわくするものといえば、トリビアゲームくらいだ」ある種の旅行者にとって、退屈は究極のぜいたくだ。リバークルーズは長年、外洋客船とは対照的に、静かで若干面白みに欠ける船旅として知られてきた。船は小さく、船上でのどんちゃん騒ぎよりも、乗客を港から港に輸送することを考えて作られている。リバークルーズは、重低音でがんがん鳴り響くベースの音というよりむしろクラシックのピアニストやオペラ歌手、バハマのプライベートアイランドよりもゴシック様式の宮殿、甘いマルガリータよりも上質なバローロワインの世界だ。
退屈さが売りのリバークルーズ、競合参入でさざ波立つか
最大手のバイキング社は退屈なクルーズで人気を集めているが、新たな競合他社が外洋クルーズばりのサービスで参入し、一石を投じようとしている
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