ただし、『Make you happy』のインパクトと比べると、少しまとまりすぎている印象があり、はっきりいえば、「これだったらNiziUでなくてもいいのでは」と思えるものだ。

『Make you happy』でNiziUファンになった人たちが、『Step and a step』でNiziUの新たな魅力に気づくということは十分にありうるだろう。ただ、『Step and a step』がデビュー曲であるなら、「鳴り物入りだったが、インパクトに欠けるデビュー曲」という印象を与えかねない。

 それは、たとえばNiziUを自分たちのイベントに招いたとして、1曲歌ってもらうとしたら『Make you happy』か『Step and a step』かと想像してもらうとわかりやすいかもしれない。おそらく多くの人が「デビュー曲」ではなく、「プレデビュー曲」を選ぶだろう。

 つまり、『Step and a step』で方向性が微妙に変わったために、NiziUというグループが高い完成度を目指すガールズグループか、あくまで日本のアイドル市場を取りに行くアイドルグループかが曖昧になってしまったのである。

 プレデビュー曲とデビュー曲とのもう一つの大きな違いは、『Make you happy』のPVがスニーカーを履いて踊っているのに対して、『Step and a step』がかなり高いハイヒールを履いていることが挙げられる。

 K-POPガールズグループはハイヒールを履いて踊ることが多いが、それはもちろん脚を長く見せるためだ。K-POPガールズグループの「始祖」ともいうべき少女時代(2007年~)は「脚線美」をアピールして、ハイヒールを履きながらレベルの高いダンスを見せたが、その「伝統」は現在も引き継がれている。

 だが、日本で最初に圧倒的な人気を博したK-POPガールズグループは、少女時代ではなく「二番手以降」というべきKARA(2007~2016年)だった。