ミャンマーの軍事政権から民主主義政権への体制移行は10年前に始まった。それは中国の裏庭で米政府が戦略上の勝利を挙げたことだと宣伝された。中国政府の影響を弱めたいと考えていたミャンマーは、外交・通商面で西側諸国に向けて門戸を開いた。2月1日、ミャンマー国軍はクーデターで権力の座を奪い取り、アウン・サン・スー・チー国家顧問を含む民間人指導者らを拘束した。国軍の支配下に入った同国のテレビは、国軍トップの司令官が国政を握ったと宣言した。米中対立が深刻化する中で起きた今回のクーデターは、両大国に外交戦略上の対決の場を作り出すことになる。それはまた、世界のリーダーシップをめぐって激しさを増す地政学的競争の最前線に、ミャンマーを立たせることにもなる。
ミャンマー、クーデターで米中対立の焦点に
独裁諸国に対抗するため民主主義諸国を結集するというバイデン氏の公約を試す最前線
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