刑事生活20年。ガサ入れ、犯人確保、張り込み……
修羅場という修羅場を潜り抜けてきた元警部による
「心を強く保つ習慣」。
常に死と隣り合わせの環境下で巨悪と戦い、人を疑い、
時には一般人に罵倒されながらも正常な心持ちで戦うために
開発してきた、圧倒的自信と活力が楽しく備わる
最強メンタルメソッド……
その名は、「刑事(デカ)メンタル」!
★人間関係の悩みやストレス、不安を抱えているすべての人へ
・緊張で心臓のドキドキが止まらない
・人の目が気になる
・失敗したらどうしようと不安になる
・勇気が欲しい!
・人と話すのが苦手だ
・恥ずかしい気持ちを引きずってしまう
・自信がない
・もっと強くなりたい!
・やる気が出ない
・本番に弱い自分が嫌いだ
ーーそんな人でも「刑事(デカ)メンタル」があれば、いやでも前向きになる!

歯医者Photo: Adobe Stock

女性には花束を。男性には虚栄心を

 まだ見習い刑事の頃だったが、結婚詐欺師を捕まえた。その男は何人もの女性を手玉にとり、会社の運転資金と称して金銭を騙し取っていた。見た感じは小太りで中肉中背、決してジャニーズにいるような男ではない。

 しかし、金品を騙し取るという目標(よくない目標だが)に対して結果はしっかり出していた。結婚詐欺師は相手をワクワクさせて気持ちを振り向かせるプロなのだ。疑問を持った俺は聞いてみた。

「なんでそんなに女性を騙せるんだ?」
「刑事さん、ここぞというときがあるでしょ、そのときは花束ですよ。オンナは花束に弱い。それも赤いバラです。大概イケます」

 男の自信に満ちた顔が今でも忘れられない。詐欺師とはいえ、その男にとっては成功体験だ。男が数々の成功と失敗を繰り返して得たノウハウなわけだ。

 まだ若かったオレは「花束ねぇ……」と半信半疑だったが、彼女ができると花束を贈ったものだ。やつの言うとおり、結果は上々だった。あ、オレの花束はもちろん詐欺目的ではない。

 異性に悩みを持つ男性読者は、気になる女性に花束を贈ってほしい。真っ赤なバラだ。やるだけのことはやってみてくれ。

 ちなみに男性には何がいいのか? あるとき、女性詐欺師に聞いたことがある。

「高級なネクタイか時計ね。『あなたはこれが似合う男よ!』と虚栄心をくすぐればいいのよ。男は単純だから」と笑っていた。

「あ、オレも騙されるかも……」と、ふと思ってしまったのは悲しかったぜ。騙されやすい男性諸君も気をつけてくれ。