「ほめる達人」は会話でどんな言葉選びを心がけているのか「笑顔がステキです」よりもっと相手が喜ぶのは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

SNSの普及により、人とのコミュニケーションでは速さが求められる時代。そのため、普段使う言葉をあまり意識しない人が多くなっているのではないでしょうか。しかし、選ぶ言葉によって、同じ事実・出来事なのに、その意味、場の空気、相手に与える影響も変わってしまいます。一方、何気ない言葉をほんの少し選びなおすだけで、相手にも自分にも良い影響があるのです。そこで今回は、“ほめる達人”として数々の社員研修やメディアにも出演している松本秀男氏の新刊『一瞬で「信頼される人」になる!できる大人のことばの選び方』(青春出版社)から、人の心を動かす「ことば選び」のコツを紹介します。

「笑顔がステキです」よりもっと相手が喜ぶ「言葉」とは

 ほめる時は、相手ではなく主体を自分におくと伝わりやすくなります。「あなたのおかげで嬉しいよ!」という気持ちを伝える。これこそがほめることの大切なこと。

 そんなお話をした時に、ある研修での受講者の方がこう言ってくれました。「それでわかりました!松本さんにさっきほめられて妙に嬉しかったのは、そこに踏み込んでくれるからですね。事実だけでなく、影響にまで踏み込んでくれる」。その方はとても笑顔がステキな方でした。その方が言うには、「さっき名刺交換させてもらった時に、ステキな笑顔ですね、元気もらえます、と松本さんに言われた。私は“笑顔がイイ”とはたまに言ってもらうんですが“元気もらえます”までは言われたことありませんでした。私の笑顔が良い影響を相手に与えてるんだってことが、すごく嬉しかったのだと思います」