超訳 孫氏の兵法
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「孫子の兵法」は、欧米のビジネス・スクールでも「戦略書の原典・原点」として取り上げられる、ビジネスパーソン必読の実益書だ。東洋思想研究者・田口佳史氏の著書『超訳 孫子の兵法 「最後に勝つ人」の絶対ルール』からの抜粋で、現代のビジネスシーンに当てはめ孫子の教えを超訳した、「ビジネスで勝つ」テクニックをお届けする。

「連戦」してはならない

百戦百勝は、善の善なるものに非ざるなり。
戦いにおいては、自分も相手も傷つかないように勝つことを考えなければならない。どちらが勝っても負けても、傷つけば疲弊し、回復に大変な時間と労力がかかるからだ。だから一番いい勝ち方は、戦わずに勝敗を決することなのである。

 ふつうに考えれば、「百戦百勝」はこれ以上ないというくらい、すばらしいこと。でも、孫子は「そんなのはちっとも褒められたものではない。むしろ非常に危うい。なぜなら現実に戦ってしまったんだから」と言っています。

 戦う以上、互いが無傷でいられることはまずありません。それは何も実際の戦争に限らず、ビジネスにおける戦いだって、日常の諍い事だってそう。

 一度争いを始めると、どうしたって互いに何らかの傷を負います。たとえ勝ったとしても、傷つけた相手の怨みを買います。「いつか仕返しをしてやる」と、新たな戦いの火種を植えつけることにもなります。

 それに、勝ったほうだって、無傷というわけにはいきません。