「国際線を国内線感覚で利用してもらいたい」(岩片和行・エアアジア・ジャパン社長)。

 LCC(格安航空会社)のエアアジア・ジャパンが、10月28日、東京(成田)―ソウル(仁川)線を開通する。

「成田を拠点とするLCCでは初の国際線就航」(岩片社長)と胸を張る。価格は6980~2万9980円、就航を記念した特別運賃は980円と破格の設定だ。

 ただ、竹島など領土問題で揺れている逆風のさなかでの就航だ。幸先の良いスタートとは言い難い。全日本空輸(ANA)など大手エアラインでは、同じく領土問題で揺れる中国路線よりも韓国路線のマイナスの影響が大きい。中国路線は出張を避けられないビジネス需要が多いのに対し、韓国路線は無理して旅行に行かなくても済む、プレジャー(観光)利用が多いからだ。

 しかし、「エアラインは、二国間の政治問題で需要が左右されやすい」(岩片社長)と認めつつも、あえて就航に踏み切った。

「LCCはフルサービスキャリアに比べて政府利用は少なく民間需要が多い。何といっても日本全国の需要の6割が集中する首都圏マーケットの需要はすそ野が広く、学生や一般旅行の需要を取り込みたい」(岩片社長)と強気の構えだ。

 もっとも、逆風の中、あえて就航に踏み切った裏には、急激な二国間関係の変化に対応できなかった事情もあるだろう。エアアジア・ジャパンは、8月に初めて成田に就航、2機体制でようやく運航が軌道に乗ってきたばかり。10月下旬に投入される3号機に合わせた韓国線の就航は、昨年の段階で決まっていたが、急遽、就航計画を見直しすることが難しかったとみられる。