そうした事態になったとき、韓国にとって最大の安全保障は米国と固い絆で結ばれていることである。北朝鮮が恐れる国は米国だけである。だからこそ米韓合同軍事演習を中止させようとするのだ。韓国が米国と離れれば、北朝鮮には韓国は無防備な国と映るだろう。それでも融和的な姿勢を崩さない韓国に米国は重大な懸念を抱いている。

 米国は同盟国と協議しながら、対北朝鮮政策の見直しを進めようとしている。米国のような世界一の軍事力を保有する国でも、北朝鮮に対して有効な軍事力を確保するためには当事国である韓国の協力は欠かせない。バイデン政権が同盟国と協力して朝鮮半島の安全保障を図るというとき、中核にあるのが韓国である。

 文政権は東アジアの地政学をよく理解していない。しかし、問題は自国の安保に関わることである。左翼運動圏出身の側近ではなく、韓国に数多くいる地域情勢、安保情勢に精通した専門家たちを頼るべきだろう。

 韓国および東アジアの安保を確保するという視点で英知を集め米国と協力するのか、あるいは北朝鮮への一方的なラブコールを続けるのか、今は節目の時を迎えている。

バイデン政権は
同盟国の非協力を問題視

 米国務省のプライス報道官は、「米国の関心を引くために北朝鮮が核実験やミサイル発射といった行動に出る可能性を心配するか」との質問に対し、「我々がパートナーの韓国・日本と緊密に協力しないという展望がさらに心配だ」として、韓国など同盟国と緊密な協力が行われない可能性を憂慮すると述べた。

 バイデン政権は北朝鮮に関する質問に対し、これまでは「過去の政権の北朝鮮政策全般を検討した後に決める」という立場を繰り返してきたが、この会見では、韓国など同盟国間での北朝鮮政策の立場調整の重要性を強調した。

 プライス報道官は、「米国民と同盟を安全に守る新しい接近法を選択する考えであり、これは北朝鮮の状況に対する政策検討から始まるだろう」と述べ、北朝鮮に対する圧力の選択肢と外交的解決法に関し、日韓などと緊密に調整する考えを明らかにした。