ダリープ・シン氏の名を聞いたことがある人は少ないかもしれない。彼は米国の世界戦略に関する新たな重要な考え方を象徴する人物だ。シン氏はニューヨーク連銀の最高幹部の一人だった。元財務省職員で、民間投資会社に勤めたこともある。最近バイデン新政権で仕事を始めたばかりだ。ただ、その任務は国内経済に関する従来型のものではない。シン氏は今、国家安全保障担当の大統領副補佐官を務めている。そのため同氏は、米国の国家安全保障を巡る地味だが革命的な考え方を代表する人物だと言える。経済政策と外交政策はもはや切り離せなくなっている。米国の世界的競争力について懸念するバイデン政権は、両者を一つのもの、同じものとして扱おうとしている。
バイデン政権の経済政策は安保政策
米国の安全保障では、新技術の採用や重要物資の国内サプライチェーン確保の重要度が高まっている
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