子どものいない夫婦は、残されたパートナー以外に相続人はいない、と相続を楽観的に捉えているかもしれません。しかし、パートナーの兄弟やその甥(おい)、姪(めい)、場合によっては死後、想定外の相続人が出現するケースもあります。(司法書士 岡信太郎)
子どものいない夫婦の相続に
隠された落とし穴とは?
「私たち夫婦二人だけですから、ほかに相続人はいません」
そう言って、子どものいない夫婦は相続を割と簡単に考えている傾向があります。
長年夫婦で寄り添い、二人で歩んできた人生。二人で築き上げた財産。どちらか一方にもしものことがあれば、遺(のこ)されたほうが全て引き継げばよい……と考えるのも自然なことかもしれません。
近年、少子高齢化に加え晩婚化により、子どものいない世帯が増えています。この子どものいない世帯では、相続が起きたときに予想だにしない事態に遭遇することがあります。
特に、最初に述べたように、自分たち夫婦だけで相続ができると思っていると、とんでもないことになってしまう可能性があるのです。