進んでよし、スピードを落とせ、止まれ。金融市場にも、交通信号のように明確にタイミングを指示する信号があれば、投資はどれほど楽になるだろう。残念なことに、こうした明確な信号は金融市場には存在しない。その代わり、投資家は具体例や直感に多くを頼っている。直感は投資家が認識している以上の力を発揮する可能性があり、難しい決断を下すときに頼りになるかもしれない。ただし正しく活用できれば、の話だ。今の市場で具体的な出来事が与える印象について考えてみよう。ビットコインの価格は先週、5万ドル(約527万円)を突破した。冗談として誕生したデジタル通貨のドージコインは今年に入ってから1000%以上上昇している。金融取引業規制機構(FINRA)によると、証拠金負債――証券会社の顧客が取引を増やすために借り入れる資金――は前年同期比で42%増えた。サンダイアル・キャピタル・リサーチ(ミネアポリス)のジェイソン・ゲファート氏の計算によると、2月12日までの週には、小口トレーダーの強気オプション取引が過去20年の平均の16倍と、過去最高に近い水準に達した。