22日午前のニューヨーク市場で銅価格は1トン=9000ドルを突破して年初来14%高に達し、ほぼ10年ぶりの高値をつけた。それでも、商品(コモディティー)相場の新たな「スーパーサイクル」到来をしきりと話題にするのはまだ早い。スーパーサイクルとは、1990年代終わりから2010年代初めまで見られたような、幅広いコモディティーの長期にわたる強気相場を指す。銅価格は2008年の急落後、急速に持ち直しつつも2011年初めまでピークを越えることはなかった。だが、とりわけ中国では、当時のような好条件が再現されるとは考えにくい。金融危機後に銅価格が急上昇した際、中国では同国史上おそらく最大と思われる建設ラッシュが始まっていた。不動産の着工面積は2010年に40%超増加し始め、2011年の着工は07年の倍余りとなった。