米国で新型コロナウイルスが流行し始めた昨春、米製造業は工場や倉庫の閉鎖に迅速に動くことで首尾よく対応した。だが結果的にはそれが裏目に出て、回復の大きな足かせとなっている。  米製造業の多くは当時、混乱を招くことなく工場の稼働を停止。その後は過去のリセッション(景気後退)で実行してきた経営戦略を踏襲し、コスト削減と手元資金の温存に努めた。しかしながらその数週間後には需要が急回復。完全に不意を突かれ、現在でも供給が需要に追いつかない状況が続く。  ロックダウン(都市封鎖)で外食や旅行を禁じられた消費者は、代わって車や家電、家具、電動工具を買いあさった。