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ソーシャルディスラプト最前線

スタートアップ業界の重鎮マイケル・アーリントン インタビュー「日本のスタートアップよ。革命を起こしに私のところに来ないか?」

岡本彰彦 [Recruit Strategic Partners, Inc. 代表]
【第2回】 2012年10月18日
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岡本 YourMechanicは修理に来てくれるだけでなく、修理工のプロフィールやカスタマーからの評価、公正な価格表、修理の履歴を提供する。なかでもカスタマーによる評価がサービスに対する安心と信頼の仕組みを担保してよりよいものにしている。

アーリントン スマートフォンやウェブサイトからタクシーを呼べるサービス「Uber」と似ている。Uberでは客と運転手がお互いを評価できるため、客は運転手を選べ、運転手は客を選べる。いまや我々は、タクシーの運転手も修理工も何でも自由に選択できる、ということだ。私はYourMechanicにも出資しているから、願わくば大きく成功してほしい。

 ところで、部屋を借りる側と貸す側が相互に評価するというAirbnb(※2)のようなサービスは、日本で機能するだろうか。私も出資していて気になるんだけど(笑)。
※2 個人宅を宿として貸し出せるサービス。泊める側も泊まる側もレビューなどをうける、またFacebookなどで素性を公開することで信頼性をアップしている。詳しくは「普通の人もプチホテルのオーナーに! 空き部屋を世界中の人とシェアできるAirbnbとは」を参照。

岡本 相互評価の面よりもAirbnbの本質は、誰も経験したことのないユニークな宿泊体験を提供することにある。そのようなユニークな体験はExpedia(※3)やじゃらんでは提供できていない。そういう体験を求める人々は日本ではまだそう多くないが、今後は増えるかもしれない。
※3 世界最大のオンライン旅行予約サイト

アーリントン 私もAirbnbの出資者だが、私自身はまだ一度もサービスを使ったことはない。他人に自分の家を貸すのも、他人の家を借りるのも、気が進まないからね。それに、5年前にAirbnbがホテル業界をディスラプトできるかどうかと聞かれていたら、私は「ノ―」と答えていたはずだ。しかし私は間違っていた。Airbnbが今、急成長中のビジネスであることは確かだ。

岡本 あなたはAirbnbが実現したようなソーシャルディスラプトが可能な分野には、ほかにどんなものがあると考えるか。

アーリントン アメリカでは鉄道運輸業界はアムトラックが独占しているから、誰もディスラプトしようとしない。

 しかし、例えば電話業界は20年前には同様にディスラプトできないと思われていたが、インターネットによって電話業界は完璧に崩壊した。そういう例もあるが、Uberはアメリカのタクシー業界のような非常に管理され保護された業界に挑戦したことで、業界と法的に戦うことを強いられている。だから我々はより障害の少ない、政府の保護や独占状態にはない業界にあるスタートアップに興味をもっている。

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岡本彰彦
[Recruit Strategic Partners, Inc. 代表]

株式会社リクルートの投資会社であるリクルートストラテジックパートナーズの代表取締役として、コーポレートベンチャーキャピタルファンドを活用し、日本のみならず、北米、東南アジアをはじめとしたグローバルな投資·事業開発活動を推進する。現職就任以前は、銀行、ベンチャーキャピタル、証券会社などでストラクチャード·ファイナンスや新事業開発に従事した後、2007年にリクルートに入社し、主に同社住宅カンパニーにおける事業開発の責任者とブランドマネジャーを担当。

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Facebook、Twitterといった、いわゆる「ソーシャルネットワーク」が日々の生活にかかせないもの、あえて言えば"必須のインフラ"となったことで「ビジネス」の変化が急激に進んでいる。
電力インフラの整備が、モータリゼーションの加速が、パーソナルコンピューターの普及が、かつてビジネスの変化を決定づけたように、いま現在、「ソーシャル」はビジネスにどのような変化をもたらそうとしているのか?
実際にソーシャルを使ったビジネスで急激に成長するサービスを紹介しながら、その変化の兆しを探っていく。

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