小沢グループを皮切りに離党者が相次ぐも、数の論理を背景に増税を推し進める民主党。三党協議で民主党に揺さぶりをかけつつも、決定打を打ち出せない自民党。そして、内閣不信任案の共同提出を行ない、既成政党の出方をうかがう第三極。消費税増税関連法案が参院で審議入りした今、各政党は危ういバランスの上で膠着状態を続けている。もはや、先を見通すのは困難な状況になった。何かのきっかけで勢力図が大きく変わる可能性もあれば、膠着状態が思いのほか長引く可能性もある。政界再編のキャスティング・ボートを握るのは誰か。注目の小沢新党はどう動くだろうか。政治アナリストの伊藤惇夫氏が、鋭く斬る。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 小尾拓也)

野党6党が内閣不信任案を提出
注目される小沢新党の動き

――消費税増税関連法案の衆院可決に伴い、小沢グループが民主党からの離党を正式に表明、新党「国民の生活が第一」を旗揚げした。増税法案が審議入りした参院で出方をうかがう彼らは、8月7日に自公を除く野党が衆院・参院に共同で提出した内閣不信任案や首相問責決議案にも名を連ねた。しかし、世論調査によると、小沢新党の支持率は思いのほか低い。小沢氏にとって、民主党からの離党と新党の立ち上げはプラスだったのか、それともマイナスだったのだろうか。

いとう・あつお/政治アナリスト。1948年生まれ。神奈川県出身。学習院大学卒業後、自由民主党本部事務局に勤務。自民党政治改革事務局主査補として、政治改革大綱の策定に携わる。その後、新進党を経て、太陽党、民政党、民主党で事務局長を歴任。「新党請負人」と呼ばれる。2002年政治アナリストとして独立。執筆やコメンテーターの世界で広く活躍。

 現時点で、プラスかマイナスかははっきりわからない。ただ、それ以前の問題として、彼らには大きな誤算があったのではないか。

 そもそも小沢氏の基本戦略は、消費税増税関連法案を先送りにして、解散総選挙もさせないことだった。そして、9月の民主党代表選で自分に近い候補を擁立し、鳩山政権時のように背後で自分が実権を握って、復権を目指すというものだった。

 ところが、できないと思っていた民主、自民、公明の三党合意が実現し、増税法案が衆院を通過して、一気に流れが変わってしまった。加えて、国会の延長幅が9月8日までという異例の長さになったことにより、当初睨んでいた勝負所が大きく狂ってしまった。

 いずれにせよ、あのまま民主党に留まっていれば、今後増税法案が成立しようがしまいが、解散の時期がいつになろうが、選挙に勝てない議員ばかりの小沢グループは、壊滅的な打撃を受けていたはずだ。