株式相場では、「異常」ともいえる高値が続いている。これに伴い「そろそろ株価は暴落する」との声もよく耳にする。こうした「暴落説」は本当だろうか。実際、2月26日の日経平均株価は、1200円を超える下げであった。「やはり、暴落するのか」と思った人はいるだろう。これらの暴落説の理由を検証すると同時に、古くから言い伝えられている「勝ち逃げ戦法」について解説してみたい。(トリオアセットマネジメント株式会社代表取締役 奥村 尚)
3万円台に乗った日経平均
それに伴って増える「暴落説」
日経平均が3万円台に乗った。過去30年間なかったことだ。
明らかに景気がどんどん良くなってきて企業もガンガン儲かっているという状況ではない。だから、こんなコメントも増殖してきた。
「暴落する。どうせ下がるから手を出すな」
実際、2月26日の日経平均は1200円を超える下げであった。
「どうだ、言った通りだろう?」
こうした発言は、感覚的にわかりやすいし、もっともに聞こえる。特に、昨年11月に2万4000円を超えてから、目立ってきた。
だが、実際はどうだ。怒涛の如く上がり続け、3万円に達したのである。しかも、瞬間高値ではなく、安定して3万円に乗っていた。1200円下げたあとでも、まだ2万9000円なのだ。