日経平均株価が2月15日、30年半ぶりに3万円の大台を上回った。コロナ禍での記録的株高に「バブルだ」との警戒感も根強いが、先行きをどう考えればよいのか。暴落の前触れをつかむ上では今後、2つのポイントを注視しておきたい。(市場エコノミスト 神谷尚志)
日経平均が30年半ぶり3万円台
業績は堅調も「バブル」否定できず
日経平均株価が2月15日、ついに終値で30年半ぶりの3万円超えを果たし、相場の強さを見せつけている。この背景には、(1)世界的な低金利、(2)主要国の中央銀行による流動性供給、(3)米国の大規模な財政政策、(4)中国の好景気がある。
また、人の移動制限などの影響を受ける鉄道株などもこのところ堅調なのは、ワクチンが普及して新型コロナウイルスの感染拡大が収束に向かい始め、経済活動が正常化するとの期待があるからだろう。さらに、足元では自動車産業の復調など企業業績の回復が目立ってきている。
一方で、今の株価がバブル的な色彩を強めていることは否定できない。企業業績が回復してきているとはいえ、業績の実態と株価の動きは大きく乖離している。なぜそんなことが起きるのだろうか。