米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長の太鼓判も、もはやこれまでか。米議会で何も心配することはないと同氏が2日間にわたり証言した翌日の25日、金融市場は唐突に懸念すべき多くの材料に気づいた。米10年債の利回りは1年ぶりの高水準に達し(1日の上昇幅としては昨年11月以来の大きさ)、米株市場は大きく下げた。米10年債の利回りは世界で最も重要な価格と呼ばれることが多い。それが約2カ月間に約58ベーシスポイント(bp)上昇し、1.525%をつけた。この急な動きに金融市場は不意を突かれた。FRBは数年とは行かなくても数カ月先までは、量的緩和策による債券購入を通じて長期債利回りを低く抑えるはずだった。