いきなり!ステーキ
写真:西村尚己/アフロ

2019年12月、「いきなり!ステーキ」の店舗に経営不振の実情を訴えた社長直筆の張り紙が全店舗に掲出され、SNSを中心に炎上する結果となった。そして2021年2月12日、「いきなり!ステーキ」などの飲食業を展開するペッパーフードサービスは、2020年1年間の決算を発表。そこに記載された数字は衝撃的なものであった。(マーケティングコンサルタント 新山勝利)

「いきなり!ステーキ」のペッパーフードサービス
39億5500万円もの赤字へ

「いきなり!ステーキ」などの飲食業を展開するペッパーフードサービスは、2020年1年間の決算を発表した(2021年2月12日)。しかしそこに記載された売り上げと利益の数字は、衝撃的なものであった。

 前年2019年の売り上げは668億7900万円だったが、2020年の1年間(2020年1月1日~12月31日)の売り上げは310億8500万円。前年からマイナス53.5%と半減以上であり、純利益に関しては39億5500万円もの赤字だった。

 2020年には、主力業態でもあった「ペッパーランチ」事業を、投資ファンドに85億円で売却、特別利益を計上した。

ペッパーフードサービス
ペッパーフードサービスの2020年12月期の経営成績(2020年1月1日~2020年12月31日)2021年2月12日発表、決算短信(非連結)より 拡大画像表示
「いきなり!ステーキ」等の店舗数の推移(2020年1月1日~2020年12月31日)「いきなり!ステーキ」は1年間で約170店が閉店した。ペッパーフードサービス「2020年12月期12月度実績のお知らせ」より(2021年1月18日発表) 拡大画像表示

 さらに米国への進出後、米国人には、ステーキをカジュアルに立ち食いで食事するスタイルが受け入れられずに撤退、その子会社の破産と店舗閉鎖に伴う減損処理なども響いた。

 そこへ新型コロナウイルスの感染拡大が重なり、外食産業を取り巻く休業や、時短営業の売り上げ低迷も影響し、3期連続の最終赤字へと沈んでしまったのである。

 その打開策として2020年12月11日に発表したのが、「肉マイレージ」制度の刷新である。しかしこれが、より客離れを加速させ、さらなる売り上げ低迷に陥り経営悪化を招くのでは…?と思うほどの悪手だったのだ。