米雇用市場は2月に大きな改善を見せた。だがそれは元に戻ったという意味ではない。米労働省が5日発表した2月の雇用統計によると、非農業部門就業者数は前月比37万9000人増加し、エコノミスト予想の21万人増を上回った。また、1月の就業者数の増加幅は4万9000人から16万6000人に上方修正された。原動力となったのはレストランの雇用増で、調査の実施時期が寒波到来と重なり、多くの地域で店外飲食が困難だったことを踏まえると、これは見事な数字だ。2月の失業率は6.2%に低下し、1月と同じ6.3%になるとみていたエコノミスト予想よりも改善した。新型コロナウイルスのワクチン接種があまり進んでおらず、屋外で営業しやすい気温でもなかったこの2月の雇用統計には、非常に勇気づけられる。それ以降、コロナの新規感染者数が減少し、一部地域では行動制限も緩和されていることから、3月の雇用統計でも就業者数が大幅に増える公算が大きい。