写真:ワクチン接種Photo:NurPhoto/gettyimages

【モスクワ】ロシアは昨夏、新型コロナウイルスのワクチンを世界に先駆けて承認した。それ以降、メキシコからイランに至るまで数十カ国が同国製ワクチン「スプートニクV」を大量に発注している。

 だがロシア国内では、他国に比べワクチンを拒否する人々の比率が目立って高く、ワクチン接種計画は失速している。ワクチンは無料で幅広く入手可能であるにもかかわらず、少なくとも1回の投与を受けた人はロシア市民のわずか3.5%にとどまる。英オックスフォード大学主導のプロジェクトで世界のワクチン配布を追跡している「アワ・ワールド・イン・データ」によると、米国ではその比率は17.1%、英国では32.1%に上る。最近の調査によると、スプートニクVの接種に前向きなロシア人は約3割にも満たない。