向かい合う相手と笑顔で会話する女性写真はイメージです Photo:PIXTA

「どこが悪いのかをはっきりさせれば問題は解決できる」といった考え方があるが、本当だろうか?「アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)」という、人や組織、関係コミュニティからベストを引き出し、強みにもとづいて人間関係や組織を活性化させるアプローチについて、米国のコンサルタントから学んでみよう。※本稿は、ジャッキー・スタブロスとシェリ・トレス著、佐々木寛子訳『チームは未来志向の対話でうまくいく』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)一部を抜粋・編集したものです。

飛び交う会話を観察して
自分の状況を知る

 手始めに、以下のエクササイズをやってみてほしい。

1 チューン・インをしよう:いったん立ち止まり、深呼吸をして、好奇心を呼び起こそう。「私は今どこにいる?会話の相手はどこにいるだろう?自分の好奇心はどこに向かっている?何が起こってほしい?」と自分に問いかけてみよう。今の心身のモードを意識できれば、自分の言葉やトーン、意図を丁寧にコントロールできるようになる。

2 家庭や職場での会話を観察しよう:「生成的な質問」と「ポジティブなフレーミング」の実践を始める前に、少なくとも1日はこのエクササイズを試してみよう(ここまで読んだ人は、もう2つの実践法を始めているかもしれないが)。

・カードを1枚用意して、表に「ポジティブ」、裏に「ネガティブ」と書いておく。自分や周囲の会話を観察し、それぞれの会話がアプリシエイティブ(ポジティブ)か、デプリシエイティブ(ネガティブ)か表す側にチェックマークをつける(会話の長短や、自分がその会話の傍観者か当事者かは関係なく、すべての会話についてやること)。自分が当事者であれば、会話中、会話後に感じたことや、全体として有意義な会話だったかを書き留めておこう。他者の会話を観察した場合は、自分の立ち位置や、会話のトーンとベクトルなどをメモしておこう。ボディランゲージも観察して記録すること。

・1日の終わりに、観察した会話を振り返ろう。その日の気分や、できたことについても振り返ってみよう。

・ポジティブな会話数とネガティブな会話数を比較して、ポジティブ:ネガティブ比率を計算するのも良いだろう。この比率が3:1以下だった場合は会話の質を変えるべきだ。幸い、簡単なやり方はあるのだから。

・自分自身との内心の会話、家族との会話、外部の人との会話で、会話の性質にはどんな違いがあっただろうか?