米国は今年、世界経済の力強い回復のけん引役をつとめる可能性がある。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるショックの特殊な性格と、米経済の柔軟性を背景に、今回は米国が金融危機後の回復期よりも中心的役割を果たすからだ。調査会社オックスフォード・エコノミクスによると、今年の世界経済の成長率は、ほぼ50年ぶりの高さである6%前後になるとみられている。これは、ワクチン普及の動きが進んで新型コロナのパンデミック(世界的大流行)下の規制が解除できるようになり、経済活動が急回復するためだ。同社によれば、今年の米経済は2005年以降で初めて、世界の成長に中国以上の貢献をするとみられている。2008年の金融危機後に世界経済の回復を支えたのは中国だった。この時の米経済の回復が、大恐慌からの回復以来で最も弱いものだったためだ。