2019年と比較した場合における
20年の名目GDPの落ち込み

2019年と比較した場合における20年の名目GDPの落ち込み
*内閣府公表データより筆者試算

 先般、内閣府は四半期別のGDP速報(2020年10~12月期・2次速報)を公表した。この速報から、20年の年率換算の名目GDPは539.1兆円。19年の名目GDPが561.3兆円であったから、20年の名目GDPは前年比で約22兆円の落ち込みと予想される。これは想定以上の回復スピードである。20年夏頃の速報では、4~6月期の年率換算の名目GDPは510.6兆円で、19年と比較して、落ち込みは約50兆円もあったからだ。前述の2次速報が正しい場合、マクロ的に日本経済は想定以上のスピードで回復している姿を示す。

 すなわち、今回のコロナ危機における経済ショックの底が20年4~6月期であったことは確実であり、マクロ的に今後は19年のGDP水準を取り戻す方向に進むことは間違いない。