HANATOURJAPANは、21年2月15日に公表した20年12月期決算短信において、「レンタカー事業の譲渡、全事業人員削減、旅行事業における営業拠点の統廃合、バス事業の休止」などの固定経費見直しに注力したとしている。

 20年12月期の有価証券報告書は本稿執筆時点でまだ公表されていないが、そこに記載されることになる平均年収の数字にも同社の苦境が反映されることになりそうだ。

 3位は、大阪府に本社を持つウイルテック(312.5万円、平均年齢38.2歳)となった。メーカーを顧客として製造業の仕事を請け負ったり、人材を現場に派遣したりする事業を手掛けている。上位企業の中でも単体従業員数が3147人(20年3月末時点)と多いのが特徴だ。

 なお、トップ10の中で最も単体従業員数が多かったのは、6位のアウトソーシング(337.0万円、平均年齢39.8歳)で、9864人(19年12月末時点)だった。同社も顧客であるメーカーに対して人材派遣を行っている。

 ちなみに、アウトソーシングの19年12月期の有価証券報告書によれば、9864人のうち、顧客メーカーにおける現場作業従事者に当たる外勤社員が9135人となっている。3位のウイルテックも同様に、製造請負や派遣に従事する人材(同社ではマニュファクチャリングサポート事業と分類している)が多く、先述の3147人のうち3103人がこのセグメントに属している。

 アウトソーシングの有価証券報告書では営業・事務作業の従事者や管理職などを指す内勤社員と前出の外勤社員の平均年収がそれぞれ載っている。それによると、内勤社員は469.7万円、外勤社員は326.4万円だ。つまり、従業員数の大半を占める外勤社員の平均年収が相対的に低い結果、会社全体としての平均年収を押し下げているという事情がある。似たようなデータの「クセ」が当てはまる企業が、ほかにもあることを押さえておきたい。

 また、ここでトップ10にランクインした企業を俯瞰(ふかん)してみると、10社中5社がサービス業であることが分かる。

 2位のHANATOURJAPAN、3位のウイルテック、6位のアウトソーシングのほかは、4位に人材派遣事業などを行うピーエイ(330.5万円、平均年齢37.9歳)、9位に福祉事業を手掛けるAHCグループ(342.3万円、平均年齢38.0歳)といった面々だった。

 なお、今回年収が400万円を下回った企業は500社中88社だった。

 トップ10の中でも6社が該当したサービス業が、88社中31社と最も多かった。次いで多かったのが、小売業で25社。ブックオフなどのフランチャイズ事業を行う5位のエコノスのほか、子ども服ブランドを手掛けるナルミヤ・インターナショナル(19位/359.7万円、平均年齢33.8歳)、中古ゴルフ用品ショップを運営するゴルフ・ドゥ(30位/367.2万円、平均年齢35.2歳)などが含まれる。

 ほかに多かった業種は、情報・通信業が10社、卸売業が9社となった。

 また、年収400万円未満の企業を本社の所在地別に見てみると、東京都が45社で最も多く、次いで大阪府が9社、愛知県と北海道が4社という結果だった。

(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

【訂正】
記事初出時、ランキングの4位に「日本PCサービス」を記載していましたが、27位に訂正します。
同社が19年8月期の有価証券報告書の訂正報告書で平均年間給与を322.5万円から366.3万円に訂正していましたが、これが反映されていなかったためです。
これに伴って同社の順位を27位にし、5〜27位の企業の順位を一つずつ繰り上げる訂正を行い、本文、図版を修正しました。
(2021年3月15日15:59 ダイヤモンド編集部)