パソコン用ソフトウェアの販売を行っているソースネクストは、ソフトのバージョンアップ料を無料にする「ZERO」シリーズなどを販売し、人気を博している。
そんな同社が、最近力を入れているのが「Uメモ」シリーズだ。従来、ソフトはCD-ROMやDVD-ROMなどのメディアで提供されるか、インターネットからダウンロードするというのが基本だった。しかし、この「Uメモ」シリーズは、メディアにUSBメモリを採用しているのだ。
USBメモリは、小型で持ち運びに便利な記憶媒体として最近注目を集めている。USBメモリを採用したことにより、従来のソフトパッケージに比べメリットが多い。
たとえば、CD/DVD-ROMドライブのないパソコンでも、USB端子さえあればインストールすることができるだけでなく、USBメモリはCD/DVD-ROMに比べデータ転送速度が速いため、インストールにかかる時間も短くなる。
また、最大のメリットはソフトが入っているUSBメモリを、そのまま記憶メディアとして使用できるところだろう。USBメモリの容量は1GB。ソフト自体の容量は大きくても500MB前後なので、残りの容量は保存領域として使用することができるのだ。
価格はCD/DVD-ROM版と同じに設定されているので、単純に考えればソフトを買えば無料でUSBメモリが手に入るということになり、お得感が高い。
なお、USBメモリ内のソフトを消してしまった場合でも、インターネットからダウンロードすることができるので安心。これを利用すれば、USBメモリ内のデータを消去して丸ごとデータ保存に利用しても、ソフトは残しておける。
これまでにない画期的なソフト提供方法で、「Uメモ」シリーズは売れ行きも好調のようだ。現在は23本のソフトがラインアップされており、今後も増えていくことだろう。
いいことばかりの「Uメモ」シリーズだが、実際に購入してみると、考えさせられる点があった。
「Uメモ」は、見た目にはCD/DVD-ROM版とほぼ同じ紙箱のパッケージに入っている。USBメモリと同梱されているのは、シリアル番号が書かれた紙と、使用許諾条件書兼USBメモリ保証書、そしてインストールに関するスタート・ガイドのみ。せっかく小さなUSBメモリでの販売をしているのだから、パッケージはもっと小型にしたほうがよいのではないか。環境問題が何かと取り上げられる昨今、過剰包装はあまり歓迎されるものではない。
個人的には、一番便利なのは、パッケージもなく、店頭に行かなくても購入できるダウンロード版かと思うが、USBメモリ版は、ソフト購入時にたまたまUSBメモリも一緒に買いたいというときには便利だ。購入する際は自分にUSBメモリが必要かどうか、考えてから購入してもよい。
(三浦一紀)